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RFIDを使ってみよう (Felica編)
作成日: 2004/4/9  最終更新日: 2005/1/18



◆概要

現在幅広く普及しているSonyのFelica系の非接触ICカード(SUICA, Edyなど)のIDなどを読み取れるPasoriというFelicaリーダーについて紹介します.

PasoriはAMPMの店頭などで手軽に購入することができ,価格も3000円程度と安価な製品です.
SUICAやEdyが既に幅広く普及しており,価格も一枚500円程度であることを考えると,RFIDシステムとしてみても魅力的です.

ここでは,PasoriとFelica系の非接触ICカードをRFIDシステムとして利用して,カードのIDに応じて任意のプログラムを起動することができるシンプルなソフトウェアを作ってみました.PasoriとSuicaさえあれば,誰でも簡単に試すことができます.

図1: Felica Reader(Pasori)の外観

図2: Pasoriの販売時のケース
(少し大きめのAMPMなら扱っているようです.)

   

◆更新情報
2004/12/17:
Felicaアプリ編を公開しました.FelicaとPaSoRiを利用したRFIDシステムを手軽に試せるいくつかのソフトウェアを紹介しています.

2004/6/27:
サンプルソフトウェアを改良し,Felica認識時・除去時に異なる動作を行えるようにしました.



◆Felicaリーダー制御用ソフトウェア

このソフトウェアの機能は,主に以下の三つとなります

  1. Felica カードIDの読み取り(一回,連続)
  2. カードIDと任意のファイル・プログラムの対応付け
  3. カードID認識/除去時に2で指定したファイル・プログラムを起動

単なるカードIDの読み取り機能に加えて,カードIDと任意のプログラム・ファイルなどを簡単に対応付けて,ID認識時の動作をカスタマイズすることが可能なので,工夫次第で面白い使い方ができるかもしれません.

図3 ソフトウェアのスクリーンショット

(1)IDとプログラムの関連付け

(2) 左記のIDを認識したときの動作
(Adobe Acrobat Readerで関連ドキュメントを開く)
図4 ソフトウェアの動作例

(1)認識時と除去時に異なるWebページを開く

(2) 除去時にログオフ動作を行う.(WinXP)

図4-2 ソフトウェアの動作設定 (2004/06/27追記)
Felicaの認識時と除去時に異なる動作を設定できるように改良しました.

 



◆ダウンロード

  • FelicaForm_12.zip
    実行ファイルです.(最新版, 2004/6/27公開)
    ※ソースコードはSDK for Felica Liteのライセンスの関係で,今のところ公開していません.
  • PaSoRi.exe
    パソリのドライバなどをインストールするソフトウェアです.パソリを接続する前にインストールする必要があります.
    (SUICAの残額や乗車履歴を確認できるソフトウェアも一緒にインストールされます.)

◆インストール

このソフトは .NET + C# で書かれているため,事前に Microsoft .NET Framework再頒布パッケージ (23.7 MB) をインストールしておく必要があります.また,パソリを接続する前に上述のPaSoRi.exeをダウンロードしてドライバをインストールしておく必要があります.

これらのインストールが完了した後,パソリを接続して実行ファイルを起動してください.





◆基本的な使い方

1. Felicaライブラリの初期化

- 「初期化」ボタンを押します.

-Felicaライブラリの初期化に成功すれば,ライブラリの著作権情報などが表示され,「接続」ボタンが利用可能になります.

2. 接続

- パソリに接続を試みます.

-パソリに接続できた場合,「Pasoriと接続しました.」と表示され,「切断」「一回読取」「連続読取開始」ボタンが利用可能になります.
-パソリへの接続に失敗した場合, 「Pasoriを開けませんでした.」と表示されます.パソリとの接続を確認してください.

3. 連続読み取り

- パソリに接続後,「連続読取開始」ボタンを押すと,Felicaカードの連続読取を開始します.

- 連続読取を開始すると,「連続読取停止」ボタンがアクティブになります.「連続読取停止」「一回読取」ボタンを押すまで,カードIDを連続的に取得します.

 

4. カードIDの検出と登録

-パソリにFelicaカードが置かれると,右上の「カードのID」欄に,カードIDが表示されます.
-カードIDが表示されている状態で,「現在のIDを登録」ボタンを押すと,IDが「登録済みID」に追加されます.

   

5. IDとプログラムの対応付け (2004/6/27更新)

-「登録済みのID」に登録されているIDをダブルクリックすると,IDとプログラムやファイルの対応付けウインドウが開きます.
- 「Name」,及びFelica認識時・除去時それぞれの「Program」「Option(ファイル名やURL)」を指定して,「登録」ボタンを押すと,IDと任意のプログラムやファイルを対応付けることができます.

   

6. IDの認識とプログラムの起動・終了 (2004/6/27更新)

-「登録済みのID→認識時の処理→Program」が指定されている場合,特定のカードIDが認識されると,外部プログラムやファイルが起動されます.
-「登録済みのID→除去時の処理→Program」が指定されている場合,特定のカードIDが除去されると,外部プログラムやファイルが起動されます.

※外部プログラムは同時に一つしか起動されません.新しいIDが認識/除去された時点で,以前の外部プログラムは終了します.

   

7. ソフトウェアの終了

- ウインドウの×ボタンを押すと,いつでもソフトウェアを終了できます.連続読取やパソリへの接続も自動的に終了します.
  また,「登録済みのID」に追加されたIDやプログラムの情報は自動的に保存され,次回起動時に呼び出されます.




◆おわりに

ここでは,PasoriとFelicaをRFIDシステムとして利用して,カードのIDに応じて任意のプログラムを起動することができるソフトウェアを紹介しました. 機能はとてもシンプルですが,任意のURL・ファイルなどを手軽に実世界のカードと対応付けられるので,工夫次第でいろいろと使えるのではないかと思います.

より高度なシステムを構築したい場合は,SonyからSDK for Felica Liteを購入してみてください.価格は約12万円(2004年2月現在)と個人レベルで買うにはやや高価ですが,リーダーの安さとSUICAの普及率を考えると,RFIDシステムの選択肢として考慮する価値はあると思います.




◆関連URL
  • Felicaのホームページ
    - SonyのFelica関連のメインページです.
  • SDK for Felica
    - SDK for Felicaのカタログです.種類がいくつかありますが,実際にサービスを行うのでなければLiteで十分だと思います.
    (価格にかなり差があります.)
  • パソリのページ
    - PaSoRiの製品紹介です.ソニースタイルからも通販で購入できるようです. AMPMが近くにない場合はここから購入してもよいかもしれません.


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