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すべての広告人に捧ぐ!『2012年 世界の凄いプロモーション12選』

 今年も残りわずか。今回は2012年に世界各地で実施された数多ある広告プロモーションの中から、独断と偏見で特に“素晴らしい”と感じた12の事例をまとめて紹介! 世界の広告人の大胆なアイデアと行動力のスゴさに圧倒されます。

今年はここに注目! 世界のプロモーション4つのトレンド

 毎週、世界中のキャンペーン事例を紹介している連載「ブログタイムズBLOG出張所」の特別編として、今回は今年のキャンペーン事例から厳選した12件をご紹介します。広告業界人が今、関心のあると思われる以下の4つのテーマやトレンドごとに、思わずうなってしまうような事例をピックアップしました!

ここに注目!今年のプロモーション4つのトレンド

1. 「広告だけど、広告じゃない!」、「メディアじゃないものをメディアにする!」
  ターゲットをトコトン驚かせ、愉快にさせるサプライジングプロモーション
2. 今年注目を集めたO2O型プロモーション
3. 本格的に普及し始めたニューデバイス、タブレット端末を駆使したプロモーション
4. 今年大ブレイクした新しいソーシャルメディアPinterestを舞台にしたプロモーション

 それではさっそく、今年イチオシのキャンペーンたちをご紹介しましょう!

パート1:「広告だけど、広告じゃない!」、「メディアじゃないものをメディアに」
  ターゲットをトコトン驚かせ、愉快にさせるサプライジングプロモーション

 情報量過多のこの時代。ターゲットの琴線を揺り動かし、ブランドへの愛着を持ってもらうためには並大抵のコミュニケーションは通用しなくなりつつあります。このパートでは、そんな現代にあって、ターゲットの頭と心を強く揺さぶるパワーを秘めた巧みな事例を4つ紹介します。

スクリーンの“中”と“外”を連動させる未だかつてないゲリラプロモーション

国名:南アフリカ/業種:エンターテインメント/番組名:The Walking Dead/参考資料(YouTube)

 ゾンビによる世界の終末後の物語を描く、米人気テレビドラマ「The Walking Dead」の新シーズンを告知するゲリラプロモーション。舞台は映画館。本編上映前に「恋愛ドラマの予告編」に視線をやりながらリラックスする観客たちを尻目に、館内にリアルなゾンビが侵入し、観客を驚かせはじめます。よくある映画館内にスタントが入るゲリラ施策かと思いきや、本当の見せ場はここから!

 スクリーン上でラブロマンスを演じていた女性が突如拳銃を手にして、スクリーンに近づいてきたゾンビに銃弾を発射します。大きな銃声が館内に轟くと同時に、撃たれたゾンビが奇声をあげてその場にうずくまります。その様子を目の当たりにして「何が起こったのか」と唖然とする様子の観客たち。この後「The Walking Dead」の新シーズンの予告編がスクリーンに流れてネタバラシ。観客はここでようやくプロモーションの主旨を理解し、館内は大きな歓声に包まれました。

 スクリーンの“中”と“外”を連動させるという思いもよらない発想が核となったプロモーション。大きな意外性が、観客の脳内に広告メッセージを強く刻み込むひとつの要因になっているのかもしれません。

コカ・コーラ、バレンタインデーにカップル限定自販機 をショッピングモールに設置

国名:トルコ/業種:飲料/ブランド名:Coca-Cola/参考資料(Vimeo)

 コカ・コーラがグローバルで展開している“Happiness Project”のバレンタインデー・バージョン。ショッピングモールに設置された自動販売機。恋人達がこの自販機の前で抱き合ったり、キスをしたりして愛し合う(愛を形にして証明する)と、中からコーラが2本落ちてくる仕掛けになっています。

 お金ではなく、恋人達の愛し合う姿でコカ・コーラが落ちてくるというサプライズ自販機。本人達はもちろんのこと、周囲のギャラリーも大盛り上がり。数あるサプライズ自販機の中でも、特に好感が持てる素敵なブランディング企画です。

McDonald’s 電車の時刻表を使った“遊び心がハンパない”広告

国名:ポーランド/業種:飲食店/企業名:McDonald’s/参考資料(YouTube)

 マクドナルドがポーランドのワルシャワ中央駅で仕掛けた「電車の時刻表」を活用した広告。この時刻表をよく見ると、通常の時刻表の横に、現在の時間から該当する電車が発車するまでの時間内に食べられるマクドナルドのメニュー(例えばバーガーやドリンク、ポテトなど)を表示しています。

 人によって飲食にかかる時間は異なりますが、十分な時間(Enough time to eat)で算出されていて、当然発車までの時間が長い電車ほど、食べられるメニューは数多く表示されます。ちなみにこの時刻表の下には「マクドナルドはこちらに50メートル」という標識も付けられ、恐らく店舗まで歩いて行く時間も考慮してメニューを算出していたと思われます。

 “何でもメディアになる”ということを証明する企画。「おっ、まだ時間あるから、マック食べて行こうか!」という会話も聞こえてきそうな、ウキウキする時刻表に仕上がっています。

3人に1人が試乗を予約!! ポルシェ・ディーラーの手づくりDMプロジェクト

国名:カナダ/業種:自動車ディーラー/企業名:Pfaff Porsche/参考資料(Vimeo)

 高級車ポルシェのディーラーがカナダで仕掛けたサプライジングなDM。同社は、ポルシェのターゲットになりうる裕福な地域の各住宅の私道にポルシェの実車を無断で駐車し、そしてそのままの状態でポルシェと住宅が一緒に綺麗におさまるように写真撮影します。

 一軒の撮影が終わったらすぐさま別の住宅でも同じように駐車して撮影を行い、撮影した写真はその場でPCやプリンタを使って、“各家専用のDM”を作成します。お気づきの通り、今回の企画では画一的なDMではなく、配布する宛先(家)に応じたパーソナルなDMを瞬く間に仕立てあげるという事例。そしてDMには、“It’s closer than you think” (あなたが思っているよりもずっと身近な存在ですよ)と大きく明記されていました。

 このDM配布の結果、受け取った家庭の何と32%がWebサイトから試乗を予約。画一的なイメージの強い媒体だからこそ、パーソナルで洒落た演出が人の心を揺り動かし、驚きの成果につながったのかもしれませんね。PCやプリンタを持参し、その場で即座にDMを作り、配布してしまうところも効率的で巧みな試みだと思います。

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山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/18 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16744

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