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胃瘻の誤解「口から食べられない」「やめられない」

成田崇信・管理栄養士
介護施設で食事をとる利用者=兵庫県尼崎市で2014年7月、山崎一輝撮影
介護施設で食事をとる利用者=兵庫県尼崎市で2014年7月、山崎一輝撮影

 家族が口からものを食べられなくなったらどうしますか? 本人が元気だった時に、事前に話し合っていればよいのですが、そうした話題をなんとなく避けていたり、脳梗塞(こうそく)などで突然食事ができなくなってしまったりすると、本人の意思がはっきりしないまま、人工栄養法をどうするのか、家族が重大な選択を迫られることになります。

 人工栄養法というと、胃瘻(いろう)を思い浮かべる人、そして胃瘻にマイナスのイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。私は普段、高齢者の福祉施設で管理栄養士として働いているのですが、最近は胃瘻を作らないという選択をする家族が増えてきている実感があります。恐らく、胃瘻をイメージした延命治療の是非について、マスメディアが何度かとりあげたことが関係しているのだと思います。

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管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。